アレルギー科(アレルギー性鼻炎、スギ花粉症)

耳鼻咽喉科領域のアレルギー疾患である、アレルギー性鼻炎、スギ花粉症に関する専門外来です。

アレルギー専門医によるアレルギー性鼻炎の専門的診療

くしゃみ

当院では、日本アレルギー学会が認定する「アレルギー専門医」を院長が取得しています(2011年)。この資格を得るためには、アレルギー性鼻炎やスギ花粉症など耳鼻咽喉科アレルギー疾患だけでなく、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、さらに食物アレルギーなど全身のアレルギーに関しても一定の医療技術水準をクリアする必要があります。

アレルギーは全身的な反応なので、アレルギー性鼻炎と気管支喘息やアトピー性皮膚炎は密接な関係があり、これらすべての病気を考慮しつつアレルギー性鼻炎の診療を行うことが、より適切な医療と考えられます。このように総合アレルギー診療を踏まえた、専門的な耳鼻咽喉科アレルギー診療を行っております。

アレルギー性鼻炎の原因は?

もともと人の体には、外界から入ってきた異物に対する防御システムがあります。これを「免疫応答」といいます。普段はこの免疫が細菌やウィルスから体を守っています。しかし時々、この防御システムが「本来無害なもの」に対して過剰に反応してしまうことがあります。これがアレルギー反応です。そしてアレルギーを起こす原因物質のことを「抗原(アレルゲン)」といいます。アレルギー性鼻炎とは、鼻粘膜に付着した抗原が惹き起こす過敏症状(アレルギー反応)のことです。

原因となる抗原は、生活環境や風土によって傾向が異なりますが、日本ではハウスダスト・ダニが原因となる場合が多く、次いでスギ花粉、さらにその他の花粉類、カビ類、動物の毛・フケなどが問題となります。

よくある症状

  • 「くしゃみ、鼻水、鼻つまり」など、「かぜ」の症状が1週間以上続く
  • のどのイガイガ感、せき(空咳)が続く
  • 鼻の症状に加えて、眼のかゆみ、涙目の症状がある
  • 頭痛や頭の重い感じが続く
  • 鼻血がよくでる

なぜスギ花粉症が話題になるのですか?

花粉症は花粉が鼻や眼の粘膜に付着して起こるアレルギー反応です。古くは1819年に「夏かぜ」と報告された病気ですが、農民が枯草に近づくと発症するので「枯草熱」と呼ばれていました。その後、枯草中の花粉の吸入によるアレルギーと判明しました。

花粉症を起こすためには、花粉を産生する植物が多数繁殖し、空中に多量の花粉を飛ばし、花粉に含まれるアレルギーの原因物質(アレルゲン)が水溶性で溶けやすいことが条件となります。花粉症を起こす植物は原則として風媒花です。
ちなみにマツは春に花粉を多数飛散させますが、花粉からアレルゲンが溶けにくい性質を持つため、花粉症を起こしにくいのです。
日本では、春は樹木花粉(スギ、ヒノキなど)夏はイネ科草花粉(カモガヤ、オオアワガエリなど)秋は雑草花粉(ブタクサ、ヨモギなど)が花粉症を起こします。特に樹木は草木よりも遠くまで花粉を飛散させ問題となります。日本固有種であるスギは、戦後北海道・沖縄以外の全国で植林され、1970年代に入り花粉生産能力の高い樹齢30年以上のスギ林面積が多くなったため、スギ花粉症が急増したと推測されています。

かぜとアレルギー性鼻炎の違いは?

かぜとアレルギー性鼻炎は症状がとてもよく似ています。「くしゃみ、はなみず、はなづまり」の3大症状に加えて、「のどの痛み」「頭痛」「微熱」「せき」という、一般的にはかぜ症状と考えられている症状も、アレルギー性鼻炎でよくみられます。したがって問診だけでこの2疾患を区別することは困難で、実際に鼻やノドの粘膜を診察して診断することが重要です。例えば鼻の中に膿汁(いわゆるアオバナ)がみられればアレルギー性鼻炎ではなく細菌感染を疑います。

もしご家庭で判断する場合、下記のポイントが目安になると思います。

  1. かぜ症状が1週間以上であればアレルギー性鼻炎を疑う。
  2. 鼻やノドの症状に加えて、「耳のかゆみ」「耳のつまり」「目のかゆみ」「涙目」など、耳や眼の症状があればアレルギー性鼻炎を疑う。

アレルギー性鼻炎の原因はどうやって調べるのですか?

microscope

アレルギー性鼻炎を正しく治療するためには、その原因となる抗原を調べることが大切です。ご自分の抗原が何であるか把握できれば、そこから体を遠ざけて防御することでアレルギー反応を回避することができます。アレルギー反応が起きなければ症状が出ることもないので、薬物療法を行う必要もなくなります。

抗原を調べるための検査法としては、血液検査(抗原特異的抗体価測定)、皮膚テストが一般的です。しかしその前に、まずはしっかりと問診をして鼻症状による重症度を判定することが、アレルギー性鼻炎診療ガイドライン(2013年度版)で規定されています。また、鼻水を採取して染色し顕微鏡で観察する「鼻汁好酸球検査」を行うことで、アレルギー反応が起きているかどうか調べる必要があります。当院ではこのように、診療ガイドラインを踏まえた標準的診断方法を行っています。

また頭痛や頬部痛ながある場合、副鼻腔炎など他疾患の合併を調べる必要があります。このような場合は、全身用マルチスライスCTによる画像診断を行って、隠れた病気を見逃さないようにしています。

アレルギー性鼻炎の治療について -どの薬が効くのですか?-

アレルギー性鼻炎の治療方法は薬物療法が中心となります。大きく分けて内服薬と点鼻薬(局所ステロイド噴霧薬)がありますが、それぞれ患者さんの症状に応じた選択が大切です。例えば内服薬では抗ヒスタミン薬が有名で最も多く使用されますが、「くしゃみ、はなみず」には効果が高いものの「鼻づまり」には効きにくいという特徴があります。一方で抗ロイコトリエン薬という薬は「はなづまり」に対してとてもよく効く特性があります。

その他にも数多くの薬が販売されていますが、これら全薬剤の薬理作用を理解しつつ、患者さんの症状と実際の鼻粘膜の状態を考慮して治療薬を決定するのが、耳鼻咽喉科アレルギー専門医の特徴です。

日帰り手術によるアレルギー性鼻炎の治療

ドイツ・エルベ社製 APC300

薬物療法以外の方法として、アレルギー性鼻炎に対する日帰り手術治療があります。これは、鼻粘膜をレーザー等で蒸散させることでアレルギー反応が起きないようにする治療法です。一度焼かれた鼻粘膜は、アレルギーに関わる肥満細胞や鼻汁を産生する粘液腺細胞が減少しているため、抗原が鼻に侵入してもアレルギー反応が起きなくなります。ただ体内にアレルギー反応がある限り、アレルギーを起こす粘膜は徐々に再生されてしまうので根本的な治療ではありません。
効果持続期間は個人差がありますが、過去の統計では6か月~最長2年とされています。

正式な名称は「下甲介粘膜レーザー焼灼術(両側)(K331-3)」というもので、厚生労働省により規定された保険診療です。当院では炭酸ガスレーザー装置とアルゴンプラズマ凝固装置(APC)、さらに手術用鼻内視鏡システムを組み合わせて治療を行っています。効果がある場合は反復して治療を行うことができます。

下記のいずれかに該当する方は治療の適応があります。

  1. 薬を服用しても症状が改善しない方や薬を長く飲みたくない方
  2. 薬にかかる費用を抑えたい方
  3. 眠気など薬の副作用に悩んでいる方
  4. 妊娠をご希望されている方や妊婦さん
  5. 中学生以上の子供さん

詳細については「院内の設備」ページでも紹介しておりますので、そちらも是非ご覧ください。

診療案内

  • 頭痛(鼻つまりによる頭痛)
  • かぜ症状(扁桃炎、上咽頭炎・喉頭炎など)
  • アレルギー科(アレルギー性鼻炎、スギ花粉症)
  • 耳鳴り
  • いびき・無呼吸(睡眠時無呼吸症候群)
  • 気管食道外科(のどの違和感、嚥下障害)
  • 小児耳鼻咽喉科(中耳炎、副鼻腔炎、子供のいびき)
  • 補聴器外来(補聴器相談医による適合検査・貸出)
  • めまい
  • 頭頸部がん(舌がん、咽喉頭がん、甲状腺がん)

診療予約システム

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INFORMATION

南さつま市から鹿児島市までカバーする耳鼻咽喉科、ふくいわ耳鼻咽喉科クリニックのホームページです。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科・気管食道外科・アレルギー科・小児耳鼻咽喉科の診療を行っています。また、アレルギー専門医、がん治療認定医を取得しています。

医療法人エターナル
ふくいわ耳鼻咽喉科クリニック

〒897-0006
鹿児島県南さつま市加世田本町22-5
TEL:0993-53-3387

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