補聴器外来(補聴器相談医による適合検査・貸出)
当院では「聴こえ」に問題がある方を対象として、補聴器外来を行っています(完全予約制)。補聴器の説明から始まって、適合検査、さらに実物の貸し出しを行います。
これらはすべて医療保険の対象となる保険診療です。最終的に購入をご希望される場合、専門資格がある業者による販売も行っています。
なお補聴器購入費用は自費となりますが、聴覚の身体障害者認定に該当する場合は、市町村による補助金制度があります。
簡単に通販で買えばいいのでは?
補聴器は「管理医療機器」として、薬事法の規定に基づいた承認を受けています。大きな音で耳を痛める健康被害を防ぐためです。一方、類似したものに集音器、助聴器といったものがありますが、これらはその承認を受けていません。
また補聴器は各個人の聴力に合わせて音響特性を正しく調整する必要があり、未調整の機器では適切な補聴器効果は得られません。通販用器種には音量以外の調整機能がない場合がほとんどであり、満足する補聴器効果が得られない危険性があります。
補聴器相談医による補聴器外来
補聴器相談医とは、日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医の中で、福祉医療・成人老年委員会が作成した講習カリキュラムのすべてを履修し、認定された者です。
補聴器相談医制度は、難聴者がそのコミュニケーション障害に有効な補聴器を適正に選択して使用できるように対応することを目的としています。当院では院長が補聴器相談医を取得しており、補聴器相談における専門医として補聴器外来を行っております。
また、障害者総合支援法による身体障害者認定に該当する場合、身体障害診断書・意見書の作成を行います。
どのような方が対象となりますか?
「聴こえ」に問題を感じて受診された方のうち、精密検査にて補聴器によるサポートが必要、と診断された方が対象となります。
よくある症状
- 最近、会話の中で聴き間違いが増えてきた。
- 話し声は聞こえるが、話している内容が聴き取れない。
- 家族から「テレビの音量が大きい」といわれる。
- 耳鳴りがして聴き取りにくくなった。
- 聴覚の身体障害認定に関する相談。
補聴器外来の流れ
この外来は完全予約制となります。またこの外来を受けていただく前に一度、一般外来での診察が必要です。耳垢(みみあか)や中耳炎、特殊な神経疾患など、治療を要する病気がないか診断をするためです。これらの病気が除外された場合、ご都合に合わせて補聴器外来を予約していただきます。
実際の補聴器外来では、まず補聴器がどういうものであるか、実物を使いながら詳しくご説明いたします。色々なタイプの補聴器をお試しいただき、認定補聴器技能者による適合検査を行って最適なタイプを調整します。これをフィッティングといいます。そして1週間ほど補聴器をお貸し出して、御自身の生活環境で実際にお試し頂きます。補聴器の効果があると診断され、購入をご希望される場合には、認定業者による補聴器販売もご案内しております。
資格を持った補聴器業者とは?
認定補聴器技能者とは、補聴器の販売や調整などに携わる人に対し、財団法人テクノエイド協会が、基準以上の知識や技能を持つことを認定して付与する資格です。また、認定補聴器専門店とは、店舗の補聴器販売事業が一定の基準を満たしている事を同協会に認定された販売店です。なお財団法人テクノエイド協会とは、厚生労働省所管の財団法人です。
当院における協力業者
- (有)下田代補聴器センター(認定補聴器専門店)
補聴器の補助金制度とは?
障害者総合支援法という法律が、平成25年4月1日から施行されました。この法律は、従来の身体障害者福祉法も包括されたもので、規定された基準に該当する場合、補聴器の購入費用に対して公的補助が支給されます。詳しくは最寄りの市町村役場の福祉課へお尋ねください。
当院では院長が身体障害者福祉法第15条の指定を受けた医師です。聴覚に関する検査・診断を行った結果、該当する方には身体障害診断書の作成を行います。
小児に対する補聴器の補助制度とは?
南さつま市では、軽度・中等度難聴児の補聴器購入助成制度があります。これは、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中等度の難聴児(18歳未満)が購入する補聴器を一部助成する制度です。概要は下記の通りです。詳細については市役所の福祉課障害福祉係へお問い合わせください。
- 対象者=南さつま市内に住所がある18歳未満で,両耳の聴力レベルが30デシベル以上70デシベル未満の方
- 助成額=購入費の3分の2