論文出版(微小血管吻合)

仕事の話です。

舌がん・咽喉頭がんを切除して、自分の体の一部(腕や胸、お腹の組織など)を移植することで、切り取った舌や咽頭を作り直すことを「再建手術」といいます。この時にただ組織を縫い付けるだけではダメで、移植組織の血管と首の血管をつなぐ必要があります。血管の太さは大体1-1.5mmほどで、顕微鏡で見ながら縫合します。これを正式には「微小血管吻合による自家遊離複合組織移植術」といいます(なんだかむずかしくてすいません)。

私はこの手術を専門にしておりこれまで120例あまり経験させて頂きましたが、生着率95%と良好な成績を収めてきました。ただ中には血管が詰まって(血栓形成といいます)、再手術を必要とする場合もあり、これは他施設でも「起こりうる合併症」として問題視されています。そこで、なぜ血管が詰まるのか、どうすれば生着率を向上できるのか、について研究してみました。その成果を論文にまとめたものがこの度「Auris Nasus Larynx」という雑誌に掲載されました。

Venous thrombosis after microvascular free-tissue transfer in head and neck cancer reconstruction.
Tatsuya Fukuiwa et al. Auris Nasus Larynx, Volume 35, Issue 3, September 2008, Pages 390-396.

あしかけ2年の仕事ですが、これでようやく形となりました。論文受諾(「アクセプト」といっています)通知が来たときには感無量でした。。。。いまはホッとしています。
自分の研究成果が、頭頸部癌手術での合併症軽減に寄与することを願いつつ、ご協力頂いた各位に深く感謝いたします。


“論文出版(微小血管吻合)” への4件のフィードバック

  1. 福岩 公寿 より:

    ホームページ立上げ、おめでとうございます。
    嬉しく読ませていただきました。
    NY吉野家の親子三人の写真、良いですね。
    7/26加世田のジーの誕生日(67才)に良い記念になりました。

  2. BB より:

    実父からのコメント、痛み入ります。。。

    偶然にも論文発行が誕生日に重なってよい記念になりました。いつまでも御元気で。

    親子のコミュニケーションもこれからはブログで、って感じですかね?!

  3. 森園 徹志 より:

    マイクロ120例、ご立派です。
    開業後も手術の腕を活かせる場があるのでしょうか。

  4. BB より:

    森園先生、早速のご訪問ありがとうございます。微力ながら一歩ずつ前へ進みつつ、自分の持ち味を生かした開業スタイルを創造していこうと思っています。これからも宜しくお願い致します。

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