レーザー鼓膜切開「OTOLAM」を導入!
ふくいわ耳鼻咽喉科クリニックでは、レーザー鼓膜切開装置「OtoLAM」を導入しました。昨日設置作業が終わり、動作チェックを行ったところです。
レーザー本体は、世界最大のレーザーメーカーであるルミナス社の「ルミナスレーザー30c」です。これに、イスラエルのシャープラン社が開発したOtoscanハンドピースを取り付けたシステムが、レーザー鼓膜切開装置「OtoLAM」です。
ガンダムでたとえるならば、ルミナスレーザー30cが「ガンダム00(ダブルオー)」、シャープランOtoscanが「オーライザー」、OtoLAMが「ダブルオーライザー」というところです。。。。
さて。
当院では開院当初から「小児耳鼻咽喉科」を標榜しております。子供に発症しやすい耳鼻咽喉科疾患を対象とした診療科ですが、特に急性中耳炎はその中で大きなウェイトを占めています。
急性中耳炎で中耳に膿(うみ)が溜まった場合、鼓膜を切開して膿汁を排泄させる治療が必要となります。通常は専用のメスで鼓膜切開を行います。
メスで切開した場合、小児では特に、開けた穴(鼓膜穿孔)が早期に閉鎖してしまい、膿汁が再貯留することがあります。メスによる鼓膜切開では、切開部の平均開存期間は約3日といわれています。
この問題を克服するために開発された装置が、レーザー鼓膜切開「OtoLAM」です。穴のサイズは0.8mmから2.0mmまで、0.2mm刻みで設定可能です。さらに、OTOLAMにて開大した切開口はメスで切った場合よりも長期に開存しつづけます(約2週間)。このことは、中耳の炎症が治まるまで十分に穿孔が持続するため、中耳炎をより確実に治癒させることができます。
さらに、モニター下に操作を行うので、鼓膜切開の瞬間を患者さんおよびご家族に見ていただけます。インフォームドコンセントの手段としても最適です。
レーザー鼓膜切開は、安全でより確実な鼓膜切開法であり、従来法と比較して中耳炎の治療効果をよりいっそう高める治療法です。しかしながら、機器導入におけるコストの問題があり、いまだ全国的に普及しているとは言い難い装置です。
実は院長、既に勤務医時代に、デモ機を使用したレーザー鼓膜切開術を20例ほど行った経験があります。その時以来、OtoLAMに惚れ込み、開院当初からずっと導入を考えていた装置でした。
今回、念願かなって、ついに導入することができました!!
鹿児島県では、第1号機が鹿児島大学病院耳鼻咽喉科に2010年導入され、当院が県内で2番目の導入施設となります。
小児急性中耳炎の治療成績をより改善させるため、ふくいわ耳鼻咽喉科クリニックではレーザー鼓膜切開「OtoLAM」をしっかり活用していきたいと思います。
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