舌下免疫療法の治療薬が発売延期
スギ花粉症を根本的に治療する、新しい治療法として脚光を浴びているのが「舌下免疫療法」です。免疫療法とは、スギ花粉エキスを少量ずつ投与し続けることでアレルギー体質を治す、体質改善の治療法です。
本年5月から、治療薬である「シダトレン」が発売される予定となっており、当院でも治療開始に向けて準備を進めてきました。
「シダトレン」を処方するためには、学会で規定された講習会を受講して、さらに製薬会社が用意するWeb試験を受験して合格する必要があります。講習会に関して、既に昨年11月に名古屋で開催された「アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法講習会」を受講してきました。そしてつい先日、日本耳鼻咽喉科学会から「受講証明書」が送付され受理いたしました。
そんな矢先、販売元である鳥居薬品株式会社から連絡がありました。。。
「スギ花粉症を対象とした減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬「シダトレン®スギ花粉舌下液」の発売予定時期に関するお知らせ」
シダトレンの国内製造販売に関しては、本年1月17日に承認を取得されておりました。予定では5月に薬価収載される予定だったのですが、諸般の事情により販売に至らなかったとのことです。残念ですね。。。
次回の薬価収載は10月ですので、最短でも10月以降の販売ということになります。舌下免疫療法に関しては、治療開始してから2年間の継続投薬が必要となりますので、販売が遅れると治療開始時期も遅れることとなり、効果が出るまで更に時間を要することとなります。
いまや国民病といわれるほど増加傾向にあるスギ花粉症、その根本的治療法である舌下免疫療法が一日も早く臨床の現場で使用可能となることを、アレルギー専門医として心から願っています。
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