TJカゴシマ7月号に掲載されました
ふくいわ耳鼻咽喉科クリニックでは先日、タウン情報誌「TJカゴシマ」さんによる取材を受けました。
「鹿児島のドクターに聞く 私たちのこころとからだ」というテーマで、TJカゴシマ読者さんから寄せられた医療に関する質問へ回答させて頂きました。
当院で担当したのは「アレルギー性鼻炎による頭痛」というテーマです。
私が子供の頃は、鼻が詰まって頭が痛くなると「蓄膿症(ちくのうしょう)じゃないかな?」とか親から言われたりしたものですが、たしかに蓄膿症、正確には慢性副鼻腔炎で頭痛がおきるのは有名な話です。
しかし近年、アレルギー性鼻炎でも頭痛がおきるケースが急増しており注意が必要です。
特に小児の場合、アレルギー性鼻炎の三大症状である「くしゃみ・はなみず・はまづまり」を訴えずに、「頭痛」のみを訴える場合がよくあります。また、頭痛専門外来を受診してMRIなどで頭部の検査を受けて異常がなく、耳鼻咽喉科受診を勧められてお越しになる子供さんもおられます。
ちなみに、同じようなパターンで「小児の鼻血」も注意が必要です。アレルギー性鼻炎があると鼻の粘膜が充血して腫れてしまうため、ちょっとした刺激ですぐ鼻血が出やすくなってしまいます。「よく鼻血が出る」「朝起きたら鼻血が出ている」、このような場合はまずアレルギー性鼻炎を疑う必要があります。
症状からアレルギー性鼻炎が疑われる場合、しっかりとした診断を行うことが大切です。日本では「鼻アレルギー診療ガイドライン」にてアレルギー性鼻炎の診断方法・治療方法などの指針が定められています。
まず鼻水を採取して顕微鏡で観察しアレルギー反応を起こす細胞(好酸球)の存在を確認する「鼻汁スメア検査」が最も大切です。この検査は鼻水をとってから診断まで数分で完了しますので、患者さんが受診されたらその場で結果が分かる検査であり、最も大切な検査です。当院では必ずこの検査を行います。
そしてアレルギー反応を認めてアレルギー性鼻炎と診断されたら、「何に対するアレルギーなのか?」、その原因(アレルゲン)を調べることが大事です。当院では採血して「抗原特異的IgE測定」によりアレルゲンを調べています。
自分のアレルゲンを知ることで、アレルゲンを回避するような生活を心がけることができます。アレルゲンが体に入らなければアレルギー反応は起こらないので、上手にアレルゲンを回避できれば、治療薬を使う必要もなくなることが見込めます。
このような趣旨で、アレルギー性鼻炎に対する質問に回答しております。
これらの取材記事は、6月19日発行のTJカゴシマ7月号に掲載されています。お近くの書店、コンビニ等で閲覧できますので、よろしければ一度ご覧いただけますと幸いです。
ふくいわ耳鼻咽喉科クリニックでは、アレルギー専門医および耳鼻咽喉科専門医として、今後も様々な情報発信を行って耳鼻咽喉科疾患の啓蒙活動に努めてまいります。
鼻アレルギー診療ガイドラインを分かりやすく解説した「アレルギー性鼻炎ガイド」を日本アレルギー協会のウェブサイトからダウンロードすることができます。ご興味のある方はご一読いただけますと幸いです。ダウンロードはこちら。
コメントを残す