シダトレンによるスギ花粉症治療が始まりました
スギ花粉症の根本的な治療法である「舌下免疫療法」が2014年10月8日から開始となりました。治療に用いられる薬品「シダトレン」が同日より発売となったためです。
当院でも昨年11月に名古屋で開催された「舌下免疫療法に関する講習会」を受講し、施設登録を完了して、シダトレン発売と同時に治療を開始できる環境を整備していました。
院長ブログ・Triple B「舌下免疫療法の講習会に参加しました」
舌下免疫療法とは、スギ花粉症を根本的に治療する、いわゆる「体質改善」的な新しい治療法です。
本治療で用いられるシダトレンとは、スギ花粉症を引き起こす原因物質(アレルゲン)を精製した医薬品です。
具体的な方法は、シダトレンを舌下に含んで身体に吸収させて、その後飲みこむというものです。
低濃度のシダトレンから開始して徐々に濃度を上げていくことで、スギ花粉症に対する免疫応答をなくしていくことを目標とします。
従来の免疫療法は、アレルゲン(シダトレン)を皮下に注射する方法でした。シダトレンの舌下投与法は、従来の注射法と比較して、より安全で痛みを伴わない点が特徴です。
最初の2週間で濃度を増やし(増量期)、3週目以降は定量のシダトレンを毎日舌下投与し続けます(維持期)。
維持期の継続期間は3年から5年とされており、長期的に続ける必要があります。
発売前の臨床治験では、2年間継続することで、おおよそ1/3の方は薬が不要になり、1/3の方は症状が軽くなり、花粉症の薬を減らすことができましたが、残り1/3の方にはあまり効果がありませんでした。
薬価は3割負担の方で月1,000円(1割の方は1/3)程度です。
注意点として、スギ花粉飛散時期には安全のため治療を開始できないことが挙げられます。南薩地域では例年1月末から2月初めにスギ花粉飛散が始まりますので、シダトレンによる治療は5月上旬から11月末までに開始する必要があります。
ふくいわ耳鼻咽喉科クリニックでも10月8日からシダトレンによる治療が開始となり、本治療法を受けるべくお待ち頂いていた患者様方が初日より来院されました。
シダトレンによる舌下免疫療法に関しては、治療期間が長期にわたること、治療に伴う副作用や危険性に注意が必要なこと、全ての方に十分な効果が保障されているわけではないこと等、治療法に対する十分なご理解を頂いた上で治療に御同意頂く必要があります。
まずは下記の「アレルゲン免疫療法ナビ」をご覧いただき、治療の適応と実施方法についてご理解ください。
鳥居薬品「アレルゲン免疫療法ナビ」
http://www.torii-alg.jp/
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