スギ花粉症飛散・初期療法について
ふくいわ耳鼻咽喉科クリニックでは、週末にかけてスギ花粉症による受診率が急増しています。
特に2月23日(木)から「眼のかゆみ、鼻水、のどのイガイガ」を訴える例が多かったです。
環境省花粉観測システム(はなこさん)を使用すると、過去2年分のスギ花粉飛散データと今年のデータを比較することができます。早速調べてみました。
確かにここ数日、花粉飛散量は急増していますが、去年の今頃は今年の3倍以上(!)も花粉が飛んでいたというデータです。去年はもっとひどかったんですね。。。
スギ花粉症の予防として、鼻アレルギー診療ガイドラインで推奨されている治療法は「初期療法」です。
これは、花粉飛散予測日(花粉が飛び始める日)の2週間前から治療薬を内服しておくことで、症状が出にくくなるという原理です。
初期療法の利点としては、下記のような点が挙げられます。
(1)花粉が飛ぶ前から治療薬を使用することで症状が出にくくなる。
(2)症状が出ても軽症で済む場合が多い。
(3)初期療法は1種類の薬剤だけでよいので、薬の使用量が少なくて済む。
(4)花粉が飛び始めて、症状が出てしまってから治療薬を使用すると、効果発現に時間がかかる。初期療法だとこの問題点が回避可能である。
当院では気象庁などのデータから、2月14日前後が飛散開始予測日であることを調べて、1月末~2月初めを初期療法開始日として治療を導入してきました。
今年はすでに初期療法の適応時期は過ぎておりますが、現在スギ花粉症でお困りの方は、来年の初期療法導入をご一考されてはいかがと思います。
コメントを残す