第34回日本医用エアロゾル研究会シンポジウム(2日目)
ふくいわ耳鼻咽喉科クリニックでは、かねて告知しておりました通り、9月3日から4日まで臨時休診とさせていただきました。第34回日本医用エアロゾル研究会(名古屋)にて、院長がシンポジストとして講演を行うためです。
本日は学会2日目、いよいよシンポジウムが開催される日です。
エアロゾル療法の対象疾患は副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、さらに急性喉頭炎があり、ほぼすべての耳鼻咽喉科開業医で50年以上前から行われている治療です。さらに、今回の研究会で他演者にて発表されたアンケート報告では、来院患者の68%でエアロゾル療法が施行されていることがわかりました。
このように、耳鼻咽喉科実地臨床では不可欠な治療法ですが、より有効に活用するためには、適正な使用方法、吸入機器の改善、使用薬剤の検討など、いくつかの重要な検討ポイントがあります。
今回のシンポジウムでは各演者によりこれらのポイントがより明確に浮き彫りにされ、その解決策と工夫に関する報告と討論がなされました。
自分の講演では、治療を受ける側の立場から治療環境を観察し、患者さんのプライバシーを重視した治療環境の提供(個別化ブースの設置)、余剰エアロゾルによる環境汚染(スタッフ等の薬剤過剰摂取の危険性)を改善するための排気ダクトシステムの開発、吸入機器のノーズピース(鼻に当てる部分)に関する臨床研究、等を発表しました。
討論では、大越俊夫教授(東邦大)、吉山友二教授(北里大)、竹野幸夫准教授(広島大)、Oliver Mitteldorf(PARI GmbH、ドイツ)の各演者、そして座長である黒野祐一教授(鹿児島大)、村上信五教授(名古屋市立大)の司会進行にて討議が行われました。
今回シンポジウムでの討論を元に、エアロゾル療法を正しくより効果的に行うための指針が定まってきたように考えられます。
...とにかく無事に終わってホッとしました。。。発表直後の安堵顔です。。。
シンポジストのご指名を受けた当初、開業医の立場でどのような臨床研究をすすめるべきか、かなり悩みました。
結果的には当院でこれまで行なってきた取り組みを中心に、いくつかの論点に的を絞って検討を行うことで、これまで気付かなかった問題点を新たに浮き彫りにすることもできました。過去に発表された文献を多数読むことで、その解決の糸口を探ることも出来ました。
そしてこれらがふくいわ耳鼻咽喉科クリニックの設備改善にもつながりました。
勤務医でも開業医でも、常に研究心を維持し続けることの大切さを再認識させられました。
(追記)
帰りに空港で食べた味噌カツ丼、メチャクチャうまかったです!!
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